見直されてきた二世帯住宅

大家族、3世代親子同居、いつしか核家族化で失われていったこの生活スタイルの良さが最近、見直されてきた。住宅メーカーもほどよい距離感を保てる分離型住宅の販売に力を入れはじめた。03年1月から「相続時精算課税制度」が新設されて3,500万円まで非課税となったことも住宅ブームを後押ししている。

住宅メーカー各社の基本コンセプトは、価値観の相違や、ジェネレーションギャップなどいろいろと問題が多い一つ屋根の下の住宅よりも、お互いの生活に立ち入らないですむ「隣居」という発想である。親世帯、子世帯が互いに戸建て感覚で、生活機能を完全に分離し、並住するという感覚である。

同居ではなかなか円滑な関係を保ち続けるのは難しいが、隣居であれば、子育てに親世代の貴重な知恵を借りることもできるし、疲れない程度で孫と遊ぶこともできようというものだ。

住宅メーカーは、プライバシーの観点から間取りや遮音性の高い壁の素材を工夫し、世帯分離とほどよいのコミュニケーションの維持を同時に実現できる設計や、資産価値の長期維持の観点から将来のコンバージョン(用途転換)も視野にいれてきている。区分登記した場合の節税効果も期待できるため、最大の持ち家予備軍と位置付けている団塊・団塊ジュニア層をターゲットにしている。

基本パターン

  1. 同居型
  2. 内階段型
  3. 外階段型
  4. 連棟型*

同居型以外は各世帯を用途・構造的に独立した住戸として「区分所有登記」ができるケースが多い。区分所有登記ができれば、各戸に住宅融資を受けることが可能。また住宅ローン控除も2戸分が適用される。さらに住宅を分離して区分登記する場合は、各戸の面積が比較的小さい場合に適用される優遇措置を活用して、同居型の大規模な1戸を建てるより、不動産取得税や固定資産税が軽減される。

ローンも区分登記され、家の中で各世帯に自由に出入りができなければ、住宅金融公庫から分の融資を受けられる場合がある。ただし、登記と公庫の審査は見方が異なり、出入りが可能でも、鍵のかかる扉などで区分されていれば構造上の独立性があるものとして登記上は2戸とみなすが、公庫は耐火壁などで遮断されていなければ2戸と認定しない。居室数やバリアフリー化などの条件を満たせば、450万円の割り増し融資を受ける方法もある。

連結型

聞き馴染みがないので、ご紹介

旭化成ホームズ「ヘーベルハウス こ・こ」より

2つの独立した世帯がほどよい距離を保ちながら共に住める
親世帯・子世帯がお互いにとっていちばん快適な距離感を、自在に調節できる家をコンセプトに各世帯が独立しつつも交流できる
正面では完全に独立した分棟スタイルだが、両世帯をつなぐ役割を果たすのは、双方のリビングルームが接する中庭だ。L字型の住宅2棟で中庭を囲むような設計で、中庭に出れば両世帯が交流できる。中庭に向けて大きな窓を設置。

住宅の今後

住宅はいままでのスクラップ&ビルドでなく、循環型社会に適応した長寿命化とコンバージョンの可能性という方向に向かうため、高齢化が進行する社会背景も加え、住宅は支持されると思われる。親世帯について言えば、本格的高齢化社会の到来に備え、動線を考慮したバリヤフリーの機能、さらには介護が可能な居室の設計などが求められる。また子世帯の子供の成長にあわせた内部空間のフレキシビリティの確保も重要となる。

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